震災支援ネットワーク埼玉HP掲載文書と私の要望について

2月11日、震災支援ネットワーク埼玉ホームーページに「当団体職員による性被害に関する謝罪及び再発防止の取組について」という文書が掲載されました。掲載に先立って、1月31日に本件被害に対する見解を求めた書面への回答が、次いで、団体ホームページ掲載文書の原文が団体から届きました。2月4日、団体の回答に対する返答、および、私の要望を記載した書面を送ったところ、ホームページ掲載前日に、修正された現在の掲載文書と私個人宛の書面が送られてきました。

団体ホームページ掲載文書について

私はこれまで「被害当事者である私の話を聞いてください。」と団体に対してお願いしてまいりました。しかし、いずれの書面でも、最初の申し入れ(2021年4月)から私が本ブログで被害を公表するまでの約9か月間、団体として一切回答しなかったこと、私の話を聞こうとしなかったことの問題にはまったく触れておらず、「適切な対応をしないまま時間が経過した」と問題を反らして矮小化しています。ただ時間が経過したのではなく、私が申し入れる度に、団体の皆さんは自ら「回答しない」という選択をしてきたと思います。なぜそのようなことをしたのか、それの何が問題だったのか。それらを具体的に語らないままでは、謝罪にはならないと思います。

「(被害について)被害女性の意思に反して」
「業務を有償でお願いし」
「団体としての責任を認め」
「被害者のお話を聞かせていただきながら」
「外部の有識者等を入れてあらためて被害の原因を検証」
「再発防止に継続的に取り組む」

これらはホームページ掲載文書の原文にはなかった文言です。内容から私が2月4日に送った書面の一部が反映されたものであることは間違いなく、私の要望、意見の一部を受け入れていただいたものと理解しています。一方で、修正にあたって何も説明がなかったこと、掲載文書でも私からの要望等には具体的に言及せず、最初からすべて自らの言葉であるかのように語られていることに違和感を覚えます。

また、原文には、私が公表するまでの団体の対応について、「和解条項を踏まえ、団体内の女性スタッフ同士による定期状況確認を実施するなどして参りました」という一文がありました。それに対して、「和解調書の内容(先に公表した被害実態)を、私の公表前にすでに知っていて、それでもなおこちらの再三の申し入れを無視していたのなら、さらに悪質ではないでしょうか。」と指摘したところ、何の説明もなく文章が削除されました。

活動休止については、原文にはなく、私が要望したものでもなく、唐突に出てきました。この間の団体の対応について、「私抜きで決められており、被害当事者に向き合う姿勢がまったく見えません。」と先の書面でお伝えした矢先に、このような決定がなされたことを非常に残念に思います。また、休止に至った経緯、再開の条件等の説明もなく、何のための活動休止なのか疑問に思わざるを得ません。

本件性的被害についても、加害者がアロママッサージ(匂い付きの油を直接肌に付けて行うもの)をしたこと、マッサージの途中でカーテンを閉めて照明を落としたこと、「好きになっちゃった」等発言したことなど、重大な事実がいくつも削除されています。

また、本件では、私が断りにくい理由で呼び出して、二人きりの団体事務所で性加害をしたことは一連のものです。加害と切り離して、「二人だけの状況になったこと」について論じられることには強い違和感があります。本件は単に「二人だけの状況になったこと」よりはるかに悪質であると思います。

さらに、事務局長である加害者が一職員の扱いになっていること、団体業務で私を雇ったことが明確に書かれていないことで、本件の背景にある事務局長と雇われた者という権力構造が見えにくくなっていることに、懸念を抱かざるを得ません。

私の要望について

団体に送った私の要望を以下に掲載します。

  1. ご回答にもあるように、本件は団体業務に関連して行われたものでありますので、本件について団体の責任を認めていただけますか。
  2. このような重大な性的被害を起こした人物を、同じことを繰り返すことができる支援活動の場にいさせないことが、最も有効な再発防止のひとつであると思います。また、団体事務局は極めて少人数で運営されており、たとえ加害者が事務局長の役職を解かれても、現場の運営は何も変わらず、権威もそのままとなる可能性が高く、解任では不十分であると考えています。団体事務局長がこのような性的被害を起こした責任を取る意味からも、加害者を団体から辞めさせ、今後一切の活動に関与させないでいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
  3. なぜ被害(加害)が起きたのか究明してください。その際、外部の識者・専門家を入れてください。
  4. ほかに同様の被害がないか調査してください。被害があった場合は、被害者に向き合い真摯に対応してください。
  5. 本件をなかったことにせず、加害の原因、具体的な再発防止策と共に周知してください。
  6. 二度とこのようなことを起こさないよう、継続的に再発防止に取り組んでください。

これらの要望について具体的な回答はなく、私個人宛の書面に「書いてくださった内容につきましては、(中略)今後継続的に検討してまいりたいと思っております。」とありました。しかし、継続的に検討するだけでは不十分ですので、それぞれの要望について回答をいただきたいと思っています。

団体から「今後、お話を聞かせていただく機会をいただきたい」という言葉もありましたが、まずは、これまでの自らの行為を包み隠さず提示し、なぜそのようなことをしたのか、それの何が問題だったのかを説明いただくことと、私の要望に対する回答を団体の皆さんにお願いしました。また、書面だけのやり取りでは明確な回答を得られないので、面談の場で回答の書面をいただきたいことをお伝えしました。

昨年12月に団体に送った書面に、「本件に真摯に向き合い、誠実にご対応くださいますようお願いします。」と書きました。現在も心からそう願っています。

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